アメリカ・ニューヨーク州で運転免許証を取得する方法
※2017/04/21追記
アメリカ・ニューヨーク州に引っ越し、運転免許証があまりにも簡単に取れたので、取得までのプロセス・感想を書きたいと思います。日本の運転免許証を既に持っており、これからニューヨークで免許を取ろう!という方の参考になれば幸いです。
アメリカは州によって免許発行ルールが異なるため、他州の場合は各州のサイトを参考にしてください。
事前に国内で国際免許証を取得する
日本の国際免許証は、特定の免許センターに行き、取得する必要があります。既に日本の運転免許証を取得している場合、必要書類・申請料2400円が揃っていれば、無試験で取得することができます。また、過去に国際免許を発行したことがあり有効期限が切れている場合は、新しく発行する必要があり、その際に過去の国際免許証が必要となるため、注意してください。
注意
一度出国前に住所を実家に写す予定のある方は、注意!
私の場合、東京→大阪に住所を写したのですが、これは「記載事項変更」に当たります。大阪の門真免許センターの受付時間が午後4時半までとなっていたので、午後3時半すぎに申請に行ったのですが、運転免許証の「記載事項変更」の場合は3時半以降の受付は翌日発行となるため、結局、国際免許の発行はその手続きが完了後(つまり翌日)しかできず、免許センターには遠路はるばる2日連続で足を運ぶ事に…
住所変更など、運転免許証の記載事項変更等はなるべく近隣の警察署で済ませ、免許センターでしかできないこと(今回は国際免許証発行)のみを免許センターで行う事をお勧めします。
書類を準備する
以下が全て揃った段階で、次のステップに進みます。
・アメリカのクレジットカードまたはデビッドカード
・パスポート
・SSN(ソーシャルセキュリティーナンバー)
SSNの取得方法は、以下記事で書きました。
DMVサイトで筆記試験を予約する
アメリカでは、警察ではなく免許を管理する団体「DMV(Department of Motor Vehicles)」から免許を取得する必要があります。この団体のWebサイトで来店予約をするところから始まります。サイトで事前予約を行わず、当日会場飛び入りでも少し待てば受付けてくれるという話をきいたのですが、気まぐれで受け付けてくれない場合もあるため、ここは堅実にネットから予約しましょう。
この時点で、事前に教本を手に入れ、標識などの知識を習得し、練習問題をこなしておきます。私が手に入れたのは、こんな冊子です。(FUJI DRIVING SCHOOLが発行。日本語で書かれています。ネットにもPDFがあがっています)
PDF資料 l ニューヨークFUJI DRIVING SCHOOL
視力検査・筆記試験を受ける
試験概要
・問題数:20問
・出題形式:選択肢(4択)
・合格ライン:16問以上正解(5問以上不正解で不合格)
・言語を選択可能
・時間は無制限
・費用は約$75
予約したDMVに向かいます。新たに免許証の申し込み用紙があるので、それを記入し、用意した書類を持参して、受付に行きました。
しかし、事前予約したにも関わらず、当日受付の列に並ぶように言われました。今度はマツコ・デラックス似の黒人の方です。スマホの予約証明を見せても、全く意味がありませんでした。渋々もう一度列に並び、順番を待ちます。
番号が呼ばれ、窓口に行き、書類を提示した後、なんと別の場所に移動する事なく、その窓口で適当な視力検査・適当な写真撮影をされました。視力検査では、「C」のようなマークではなく、アルファベットを左から読み上げるだけでした。その後、書類の不備を確認し、筆記試験の窓口の方に、書類一式を回してくれます。
「目の色」という記入欄を未記入のまま提出すると、顔をじーっと覗き込まれ「BROWN」と書かれました。茶色か?その瞬間だけ嬉しかったです。その瞬間だけ。
そして5分ほどすると、筆記試験の窓口で自分のナンバーが再度呼ばれ、番号札を渡すと、代わりに試験用紙・標識問題の紙・鉛筆を受け取ります。言語が選べるので、私は日本語で受験しました。(何故か最初はポルトガル語の試験用紙が渡されたため、これは日本語ではないと主張すると変更してくれました。主張は大事ですね。)
無事1問間違いで合格となり、「INTERIM PERMIT」と呼ばれる用紙がもらえるので、無事5時間講習を予約できます。その後、郵送される「LERNER PERMIT」を手にしてから、路上試験を受ける事ができます。
予想問題集のみを1時間程勉強したのみで筆記試験を受けましたが、問題なく点数を取ることができました。(1問間違いでした。)予想問題集から20問、ほぼ同じ問題が出ましたが、たまに見た事無い問題が出ますので注意してください。勉強時間は1時間で十分です。日本の筆記試験は10年前に受けましたが、この10倍は苦労したような気がします。
5時間講習を予約・受講する
講習概要
・所要時間:5時間
・内容:路上のルールをビデオ・テキスト・ホワイトボードを使って学ぶ
・少人数の講習(6人〜10人)
・$60
無事筆記試験に合格すると、次は5時間講習です。
先ほどの問題集でお世話になった「FUJI DRIVING SCHOOL」で受講します。
ニューヨークで運転免許取得はFUJI DRIVING SCHOOL
こちら、講習と言っても、必須講習として組み込まれているのは、なんと講義だけなのです。英語での講習も選択できますが、命に関わる事なのに英語がわからず理解できないと致命的なので、ここは日本人の講師の方を予約しましょう。
マンハッタンにあるFDSで講義を予約し、受講しました。
5時間講習という名前ですが、DMVからは最低3時間やればあとは何を話しても良いと言われている、といったようなぶっちゃけ話まで聞けました。プリントの内容を元にしたり、ホワイトボードでミニチュアの車を使用したりして座学を学びました。
「雑談が長い方もいて退屈」と聞いていたのですが、私の受講時の日本人の講師の方はあたりだったようです。雑談まで比較的有益な情報で、睡魔に襲われる事なく、3時間半が一瞬で過ぎました。しかし、講義前に韓国海苔を食べていたり、配布プリント8枚をホッチキスで止めておらず8人の生徒に一枚ずつ(8人×8=64枚)手渡ししていたり、と不思議な方でした。面白かったなぁ。ちなみに、この講習費用は$60でした。現金のみ受付可能のようなので、注意してください。
「LERNER PERMIT」が無いと路上試験は受験できませんが、届くのを待っていると予約できる試験日が遅くなってしまうので、5時間講習が終了した時点で、すぐ路上試験をサイトで予約しておきます。私の場合、「LERNER PERMIT」は1週間で届きました。
路上試験の予約は約2週間後以降しかあいていないため、試験会場まで送迎してもらう免許所有者(※後述)の予定を確保し、早めに予約しましょう。
その後、ここで、路上の実技試験をいきなり受けるのが不安な場合、上記のFUJIドライビングスクールで講習を受ける事も可能です。
路上で実技試験を受ける
試験概要
・教官と共に車に乗り、さまざまな試験を行う
(発進・交差点で曲がる・一時停止・3ポイントターン(Uターン)・縦列駐車)
・所要時間:15分程度
・合格ライン:プアジャッジ30ポイント以下
・試験で使用する車は受験者の車
一時停止・スピードなど色々な観点から審査され、ミスをすると「プアジャッジ」を取られて減点されます。 対向車が途切れ、曲がれるタイミングなのに行かなかったり、速度が遅すぎたりしてもプアジャッジを取られます。だいたい一回のプアジャッジで10ポイントのものが多いため、3度までならぎりぎり合格というところです。各点数は以下のようになっています。
日本と違って一番驚いた点は「試験を行う車は各自持参」という点です。車を運転して良いかどうかの試験にも関わらず、車は持っている前提なのです。(試験会場までは、運転免許を既に取得した人が運転する必要があり、免許証を見せる必要があります。)自家用車を持参して、いざ試験を受けます。FUJIドライビング・スクールで送迎・試験用の車をアサインしてもらうことも可能です。
合格のポイント
・縦列駐車は事前に練習しておく
・良い教官に当たると一発で合格できる
路上テストに合格するとその場で仮ライセンスを渡されます。
免許取得
路上テストに合格後2〜3週間で、登録した住所に免許証が送られてきます。
これで「形だけ」の国際免許とはおさらばです!
おわりに
いかがでしたでしょうか。
日本では、なかなかにつらい筆記試験を受け、中には30万円近く払って取得しなければならない運転免許。自動車大国アメリカでは、こんなにも安く、簡単に取れるのです。
ニューヨーク州で免許を取得しようという方のお役にたてると嬉しいです。